失職を余儀なくされた同級生 [雇用保険]
今日同級生が久方ぶりに訪ねてきた。
彼はガードマンである。
長年勤めた会社が、取引先の入札に負けて、警備の仕事を失ったとのことで、困ったあげく相談に訪れたという訳。
通常ならば、別の取引先の現場に派遣するのだが、会社の管理職曰く
「あなたのような障害者をガードマンとして派遣出来る取引先はない」とのことだ。
彼は難聴という障害を持っている。
うるさくない場所での、会話などは補聴器を使用し、何ら問題なく出来る。
ただ騒音の中での会話や、電話口での小さな声の会話には問題がある。
しかし7年半もそれを承知で使っておいて、今更そんなことをいう会社にも疑問がある。
まあ「それならば会社都合での退職だから、雇用保険も待機期間7日後即下りるし、早いとこ就職して、再就職手当を支給してもらえば、何とか食いつなげるんじゃない？」
と話したところ、そこがまた一筋縄ではいかないような話になっているらしく・・・
はっきりした話は分からないので、ここでは詳細控えるが、なんとは無く自己都合での退職を示唆するような内容の話と彼は感じているらしい。
なので私のところに思いあまって相談に来たのだ。
私は前職を会社都合で退職している。
もちろんそこまでには色々と行動もしたし、会社との交渉も何度もした。
結果、私は幸いに良い会社に恵まれて、約束通り会社都合での退職となった。
その経験から、彼の今回の退職に関わる問題は、会社都合の退職で問題ないと思うのだが、話を聞いていると何やら自分から辞める方向で進めたいような話に聞こえるのだ。
私は自身の問題の時に、まず労働基準局と、職安に相談に行った。
労働基準局では、親身に相談に乗ってくださり、精神的にかなり心強かった。
職安では正直マニュアル通りの話しかされず、当たり障りのない内容だったことを記憶している。
働く場所を確保できないのだから、それは会社の都合でしょうと思うのだが、経験のないまったく違う仕事を提示したり（合わせて報酬は減額する）、派遣先を確保するまで待機させる（無給）などの、いじめにも似たことをして、自己都合で辞めていくように仕向ける企業も聞くところによるとあるらしい。
今回の彼の話もそんな内容だ。
私は自身の経験から、自己都合の退職願いは書かないことを勧めた。
あくまで仕事をしたい、でも会社が仕事を用意できない。
会社の都合で退職を余儀なくされた。
この形でないとおかしいと思うからだ。
世の多くの労働者の方々は、同じような悩みで苦しんでいると聞く。
すでに耐えかねて、自己都合の退職願いを書かされて、泣き寝入りをしてしまった（特に女性や気の弱い方）方も多くいると聞く。
物のように会社の都合で人を扱う精神に憤りを感じる。
なので私は彼に徹底抗戦を勧めた。
喧嘩をしろと言うのでは無い、あくまで正当な権利は主張せよというものだ。
私は上場会社と闘って（ありが恐竜と闘うような状況で）ちゃんと会社都合にしてもらえた。
だからちゃんと調べて、自身の行動をきちんと管理して、自己の権利の範囲を把握して、正しく臨めば必ず正しいものが勝つのだ。
今回の彼の相談を受けて、未だにこの日本は企業贔屓のシステムが強いのだと感じた。
何故真面目に勤めてきた社員を不安にする？
先まわって心配ないからねっていたわるのが本当ではないか？
そう思うし、私が会社経営者であれば、自社に尽くしてくれた方には、感謝の念を持って当たるが・・・
知らないということ（無知）は損をする。
会社の利益に反することは、会社側はわざわざ説明はしてくれないのだよ。
そこを間違わないようにして、日々勉強、そして自己防衛の備えはしておくべきと強く思った。
会社にとって労働者は歯車のひとつ。
滅私奉公しても、壊れたら交換するだけの対象。
信じることは大切だが、正直今の世の中人間は最低で考えていかないと、いつか騙される方が悪いんだなんてことになりかねないなぁと悲しく思う。
ちなみに・・・
なぜ会社は自己都合で辞めさせたいか
労働者を雇用することによる助成金が企業には与えられるが、これが会社都合の退職（例えば解雇） 注：労働者本人に重大な過失のない場合
これが1件でも発生すると、この雇用に関する助成金支給にとってマイナス要因となるらしい。
もちろん企業イメージも下がる。
次いで自己都合退職と、会社都合退職ではこんなに大きな差がある。
【自己都合退職】
雇用保険（失業保険）支給までの期間が、7日間の待機期間＋3ヶ月の給付制限
要は3ヶ月と7日待たないとお金は支給されません（TT)
生活保持できないでしょって・・・
【会社都合退職】
雇用保険（失業保険）支給までの期間が、7日間の待機期間を過ぎれば即時支給
企業から離職票届いて、雇用保険受給申請受理されたのち、7日間待機したら即支給対象になります。
支給日数についても、私の場合を例にとると（3年強の勤務で年齢40歳代の場合）
【自己都合退職】
支給日数：90日
【会社都合退職】
支給日数：180日
はい、倍です。
ということは、支給総額も単純に倍になりますね。
これは早期就職した場合の、早期就職手当の支給額にももちろん影響します。
雇用保険支給日額が例えば4000円（わかりやすくするためにちょっきりで計算します）
【自己都合退職】
4,000×90＝360,000円
これを例えば最初の16日（待機期間後）もらって、即就職した場合・・・
90－16＝74日×4,000×0.6で早期就職手当の支給額は177,600円
注：この0.6のパーセンテージは条件よって変動します。
【会社都合退職】
同じく16日分支給を受けて残日数分の180－16×4,000×0.6＝393,600円
393,600－177,600＝216,000円
これだけ差が発生するのです（驚）
庶民にとってこの金額は大きいですよね。
それと早期就職手当の申請にも若干違いがあります。
自己都合退職の場合は、7日の待機期間含め、1ヶ月間は職安経由で就職しないと、支給対象から外れます。
この間に、知人の紹介とか、自分で探した就職の場合は、同じく支給対象から外れますので注意が必要です。
2か月目からは自分で探した場合でも対象になります。
しっかりと調べて、正当な権利は主張すべきと思えるのに値する差であると私は思います。
雇用保険の掛け金は天引きで引かれて徴収されています。
なのに企業の思惑により、こうした正当な権利が損なわれるのは大きな問題です。
保険かけているのに、もらえるものがもらえない。
何のための保険だよ（怒）
そう思うのは私だけでしょうか？
日本は建前は主権在民ですが、実際には疑問です？
庶民の生活よりも、資本者階級（企業等）のメリットを優先する政治が今正にそれです。
アベノミクスで恩恵を受けたのは企業側です。
国民は円安相場になり、物価は上昇し、更に税金は上がりました。
消費税は更に上げる意向です。
公正であるはずの選挙は、企業の政治活動参加を黙認し、誰もがそれに異を唱えていませんし、仮に唱えてもその声は届いていません。
二世議員の存在は何なんでしょう？
親の地盤を受け継いで・・・
公正な選挙と言えますか？
利権を代々継承している間は、主権在民、公正な選挙による議員選出とは程遠いと私は思っています。
少々言葉が過ぎましたが、これは私が常に感じている疑問です。
悪を悪と知りながら黙認するのは、悪に加担していることに他ならないと思うのですがいかがなものでしょう・・・？
お叱りは覚悟で書きましたが、本当の意味での公明正大な政治を望む一心です。
人が人として、安心して暮らせる社会を、弱者が泣き寝入りをしないで、権利を主張できる明るい社会を・・・
切に切に望むものであります。
今後の政治に期待を寄せつつ・・・
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